オランダではクリスマスを2度祝います。
正確には、一度目はキリストの降誕祭ではなく、サンタクロースの起源となった聖人ニコラウスの誕生日です。
聖人ニコラウスの誕生日を祝うのは12月6日で、セント・ニコラウス・デーと呼ばれています。
オランダのクリスマスの雰囲気
イベントやパレードなど、セント・ニコラウス・デーの方がクリスマスよりも華やかで、子供たちがプレゼントを待って靴下を枕元に掛けるのも前日の12月5日です。
セント・ニコラウス・デーは、クリスマスよりも宗教色の強い祝祭で、子供が主役となります。
飾りつけなどはクリスマスとほぼ同じなので、12月6日に間に合うように早く飾りつけを始めなければいけません。
そのため、他の国のクリスマスマーケットよりも一足先に、11月に入るとクリスマス関連の商品などが一斉に売り出されます。
ツリーもこの時期に早々と登場しています。
サンタクロースもクリスマスには登場しますが、オランダでは聖人ニコラウスの方がよりポピュラーな存在です。
11月下旬、白く長い立派なひげをたくわえ、赤いガウンを着て木の杖を持ち、優しい笑顔をたたえた聖人ニコラウスがスペインから蒸気船に乗ってやってきます。
お供にズワルズ・ピートと呼ばれる少年達を連れて、子供たちに会いに来るのです。
聖人ニコラウスのズワルズ・ピートのパレードが始まると、アムステルダムは一年の中で、一番の人手と盛り上がりを見せます。
ズワルズ・ピートは集まった子供たちにお菓子を投げて配ります。
白馬に乗った聖人ニコラウスを人目見ようと、国中から多くの子供たちが集ります。
その模様は国営テレビでも特別番組で放映されます。
オランダの子供たちにとって、聖人ニコラウスはただの「プレゼントをくれるおじいさん」ではありません。
聖人ニコラウスは子供たちのことを何でも知っていて、悪い行いも良い行いもすべて聖人ニコラウスの持っている大きな本に書かれていると信じられています。
オランダのサンタクロース
オランダのクリスマスは他所とはちょっと異なります。
サンタクロースの起源となった人物、聖ニコラウスの命日12月6日とイエス誕生の12月25日、両方でお祝いを行います。
聖ニコラウスは神学者でキリスト教の大主教でもあった人です。
270年頃ローマに生まれ、350年前後の12月6日に永眠。
その遺体は不朽体として現在イタリア、バリのサン・ニコラ教会に安置されています。
貧しい人、無実の罪をきせられた人、子供たちなど多くの弱い立場の人々を助け、救ってきた聖人として、時代を超えて崇められてきました。
聖ニコラウスにまつわる伝説に、貧しい家の煙突から投げ入れた金貨が、たまたま室内につるしてあった靴下に入ったというお話があります。
オランダでは、サンタさんからプレゼントを貰えるのは25日ではなく12月6日。
靴下を用意して楽しみに待ちます。
オランダのクリスマスの風習が日本にも?
オランダのサンタクロース的な存在・「聖ニコラウス」は、現地で「シンタクラース」と呼ばれています。
「聖ニコラウス」をオランダ語にすると「シンタクラース」になるためで、サンタクロースに発音も似ていますね。
服装も赤い服なので、やはりサンタクロースにそっくり!さて、オランダではプレゼントを運んできてくれたシンタクロースにお礼をする風習があるのを知っていますか?シンタクラースは蒸気機関車に乗って街を訪れ、白い馬に乗って従者たちとパレードを披露。
そして夜になると、子供たちにプレゼントを配ってくれます。
子供たちが、そんなシンタクラースに「ありがとう」のプレゼントを用意することもオランダの風習。
プレゼントを入れてもらう靴の隣に、馬に食べてもらうためのニンジンとバケツ一杯ぶんの水をおき、シンタクラースや従者たちにはお菓子やお手紙をおいておきます。
ただもらうだけでなく、子供たちがお礼をするというのがほほえましいですね。
この風習が伝わったのか、それとも日本で独自に芽生えたのか、最近は日本でも「サンタさんにお礼をするためにお菓子や手紙を用意する」という子が増えてきました。
小さなクッキーとお茶、もしくはチョコレートなど、子供たちはサンタさんに喜んでもらえそうなプレゼントを一生懸命考えます。
「ただもらうだけじゃなくて、ありがとうの気持ちを伝えよう」って素敵なことですよね。
ここから子供たちは「やってもらたらお礼をする」ということを学ぶのかもしれません。
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